LOCUS GEAR
このページを見に来た人は恐らくすでにご存知の通り、ローカスギアは主にモノポールシェルターを製造する日本のガレージメーカー。
フロアレステントという床を廃したモノポールシェルターは、従来の自立式ダブルウォールテントとは比べものにならない軽さで「荷物を軽くしてもっと快適に、もっと遠くへ歩こう」というUL(ウルトラライト)系のハイカーに認知度が高い。
Khufu Tyvek
フロアレステントはテント泊を始めようと思った時から候補には上がっていたけど、まずは王道の自立式ダブルウォールテントを使ってみることにして、最初はモンベルのステラリッジ2型を選んだ。
自立式テントで色々なところでテント泊をした結果、やっぱりローカスギアのクフが欲しいと思った。
【クフにしようと思った理由】
- 圧倒的な軽さ(公称425g)
- 緊急用にしか使っていないポールを活かせる
- 唯一無二の美しいスタイル
- 悪天候時の自立式テントでの設営、撤収の手間
【不安だったこと】
- 床がないことによる悪天候時の対策。
- モノポールシェルターの耐風性。
色々リサーチした結果オールシーズン使えそうという結論に。
素材について
クフの素材にはタイベック、シルナイロン、キューベンファイバーの3種類がある。自分のはタイベックで繊維素材、いわば紙。若干の通気性があるけど、他の素材に比べると引き裂き強度がないので、扱いは難しいかもしれない。
タイベックを選んだのはただただ真っ白な見た目と、夜ヘッドライトの灯りに浮かび上がる和紙のような姿に惚れただけ。あと値段w
—追記—
タイベックは遮光性がシルナイロンやキューべンより高いようで、日中に幕内の陰が濃い。つまり抜群の通気性と快適な日陰を作ってくれるお陰で昼寝に最適。
シームシーリングをしていないので、購入後、縫い目からの浸水防止にシーリングしてやる必要がある。めんどくさい人はお高いけどシームシーリングがいらないDCF-Bを。ただ、ピラミッド型の形状的により、縫い目から浸水した水が降ってくることはない気がする。実際Khufu使ってる人でシーリングしてないという人もいる。
設営について
最低限テントを立ち上げるには4箇所の指定ポイントをペグダウンして固定してから、中央部をポールで立ち上げるだけ。ポールは135cmの長さになる物が必要。
ペグはモンベル ステラリッジ付属のV型ペグを流用しながら、フリーライト ネイルペグを数本追加。場所にもよるけど通常持って行くのは8本。
1. 設営場所の選定
これが一番大事。クフの床面積に足りるフラットな場所を探す。全体的に斜めになっていても張れるけど、一部分だけ盛り上がってたりするのが一番張りづらい。四隅を均等にペグダウンできることが前提。
2. グランドシート
最初にグランドシートなりマットなりを敷いておくと、幕の内側が汚れづらい。飛ばされないように石で仮固定。
3. 決めた設営場所にクフを広げる
この時点でなるべく綺麗に長方形になるようにする。これも飛ばされないようにザックを置くか、一箇所をペグダウンしてしまう。幕体の重しに石を使うと生地が破損する可能性があるのでお勧めしない。
4. 4隅をペグダウン
綺麗な長方形になるように調整する。ここでずれてると立ち上げた時に形がいびつになる。ペグの方向は4隅に対して対角線を結ぶように。ガイラインを少し緩めておいた方が調整しやすい。
5. 立ち上げ
4隅を固定したら入口のジッパーを開いてポールで中央を立ち上げる。いきなり135cmにしたポールを差し込むのではなく、短い状態でセットしてからポールを伸ばして固定した方が楽。ポールを接地させる場所によっても形がずれるので、なるべく中央になるようにする。
6. 仕上げ
綺麗に立ち上がったら、入口と4隅の上部ガイラインをペグダウンする。短辺、長辺それぞれの中央もペグダウンした方が居住空間はよくなる。
状況に応じて全部で16箇所のポイントを固定する。普段はベースの下部8箇所+上部ガイライン4箇所を固定。最初の4隅をペグダウンする際に綺麗な長方形にしないと、立ち上げた時にいびつな形になる。
コツとしては、テンションがかかる方向と力が均等になるようにするといい。
設営方法自体はとても簡単なので普通の自立式テントより早い。ただ、設営場所の選定や写真写りなどにこだわると結果的に設営は遅くなる。
撤収について
これは笑っちゃうくらい素晴らしい。テントの中で全てパッキングを終えてから、ポールを縮めてペグを回収して、幕をグシャッとまとめてザックの外ポケットにでも突っ込むだけ。雨天時の撤収の手軽さは自立式とは比べものにならない。
畳み方
綺麗に畳める方法もあります。
①裾を揃える。
②両端を真ん中まで折る。
③更にもう一回真ん中まで折る。
④三つ折りにする。あとはクルクル巻いておしまい。Tyvekは通気性があり空気が抜けるのでとても巻きやすい。
イレギュラー設置
ペグが刺さらない場合は、岩で固定することになるのでガイラインを長くとったり、大きな岩がない時は自作のストーンペグを使ったりする。岩は両手で持つのがやっとくらいのものを使わないと稜線では吹っ飛びます。
どんな所でも取り敢えず立ち上げることはできる自立式テントと違って、状況に応じて工夫が必要なことは事実。ロープワークとして「もやい結び」は最低限覚えておくべき。
居住空間について
1人用ってなってるけど大人2人は余裕で寝れる。なので、一人で使うと広大な前室が現れる。
構造上、下部が空いているので通気性がとてもいい。入口を開け放つとタープのような開放感。自立式テントは風を通さない代わりに通気性が悪いので、あれで日中に昼寝しようと思うと結構厳しいけどクフなら寝れる。
取り敢えず靴を履いたまま中に入ってしまえるのも便利。センターポールが邪魔な人向けに、ポール2本でAフレームにできるオプション(DPTE)もあるけど少なくとも自分の使い方では必要と思ったことはない。
→使って見た結果…めっちゃいいですw
LOCUS GEAR | Khufu Tyvek | DPTEレビュー
悪天候対策について
おそらくフロアレスを検討してる人が一番気にするポイント。床がないので雨がたくさん降れば当然フロアは濡れます。なのでまず、水が溜まる下流や窪地を避けるのが前提条件。
その上で夏は4cmほどの厚みがあるエアマットとシュラフカバーを使用。これで就寝環境は確保できます。濡れて困るものは全て防水の入れ物に収納。前室にでっかい平たい石を置いとくと何かと便利。
元から濡れる前提でいれば何も問題ないですね。逆に自立式を使ってた時は内部の水を拭いたりするのが面倒でした。
しっかり固定すればかなりの強風にもちゃんと耐えるので、耐風性も自立式と比べて劣っている感じはしません。稜線上でも何度も張っています。強風時の設営は自立式より楽だと思う。
とはいえ、気になる点について
設営場所を選ぶ
床面積がかなり広いのと、4隅がフラットな場所が必要なので張れる場所は結構限られる。とりあえずどこでも立てられる自立式と違って、人気のテント場だと早めに到着して場所を確保する必要あり。
床がない
自分はほぼ森林限界にしか張らないのであまり気にならない。正直、悪天候時に樹林帯で使うのはかなりめんどくさい。
虫が気になる人や、雨の樹林帯なんかではやっぱりバスタブフロアとバグメッシュがついたインナーがあった方が幸せかもしれません。
LOCUS GEAR | Khufu フルメッシュ レビュー
メッシュのバスタブフロアがセットになってて、手に入れやすくなった流通用のクフがリリースされたので、色やスペックがマッチする人はその選択肢もよいかと。
今までクフで張ったテント場
※2023年9月 更新
自立式テント時に状況がわかってる所もあるけど、実際に張った所に限定。
北アルプス
◯ 問題なく張れる
- 雷鳥沢
- 殺生ヒュッテ
- 双六小屋
- 三俣山荘
- 黒部五郎小舎
- 笠ヶ岳
- 奥黒部ヒュッテ
- スゴ乗越小屋
- 種池山荘
- 五色ヶ原
- 常念小屋
- 大天荘
△ 条件に要注意
- 岳沢(張れる条件の場所が少ないので要早着。ペグ△)
- 北穂高(張れる条件の場所が少ないので要早着。ペグ△)
- 天狗山荘(張れる条件の場所が少ないので要早着)
- 蝶ヶ岳(場所によって要ストーンペグ)
- 雲ノ平山荘(張れる条件の場所が少ないので要早着)
- 五竜山荘(スペースが限られるので混雑期は×)
- 白馬頂上宿舎(ペグが刺さりづらい。手ごろな石はたくさんあるのでしっかり補強)
南アルプス
◯ 問題なく張れる
- 三伏峠
△ 条件に要注意
- 鳳凰小屋(狭いので要早着)
八ヶ岳
◯ 問題なく張れる
- 行者小屋
△ 条件に要注意
- オーレン小屋(スノコが多いので設置場所限られる)
その他
○ 問題なく張れる
- 尾瀬見晴
冬も
因みに冬も使ってます。冬季の使用については別記事にて。
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[…] ール) 155g・Multi Sheet Tyvek 200g計 795gその他、LOCUS GEAR関連の記事はこちら↓LOCUS GEAR | Khufu Tyvek | ソロハイカーのレビューLOCUS GEAR | Khufu Tyvek | 冬のテント泊LOCUS GEAR | Khufu Tyvek | DPTEレビュー […]
how do you think about the durability? since it seems like made from tyvek 1442r
any sign of corruption? not yet?
Khufu’s tear strength is inferior to ripstop nylon.
It is certain that care is required in comparison to sill nylon.
However, there is no trouble at the moment.
Thanks for that quick respond.
I knew that nylon is the better choice on rough using
But I think, I will buy tyvek one.
I liked it’s visual
I understand your feelings very well!!
The white of tyvek is brilliant!!
[…] です。 夏山でのレビューはこちら。 LOCUS GEAR | Khufu Tyvek | ソロハイカーのレビュー […]
Awesome write up! I’d love to hear your opinion on winter usage.
Thanks a lot! Please wait a while for articles about winter usage.