山のコト

山のコト Vol.58 ソロテントをアライテント「SLドームソロ」にした理由とレビュー

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ソロテントとしてアライの「SLドームソロ」を買い足したので、そのレビューとなぜ「SLドーム」にしたのかを書いてみます。

山岳テントはとてもたくさんの種類があるので、どれを選ぶか非常に悩みますが、こういうのは用途を明確にして選ぶと絞り込みやすいです。

 

目次

選定基準

  1. 条件
  2. サイズと重さと厚さ
  3. 設営方式

レビュー

  1. 設営手順
  2. 室内空間
  3. ガイライン
  4. ペグ
  5. デザイン

選定基準

条件

今回ソロテントに求める条件は設営場所を選ばないサイズと、雨でも快適に停滞できる耐候性、そこそこの軽さ。必然的に候補はオーソドックスな自立式ダブルウォールになる。

候補はアライ「SLドームソロ」ゼインアーツ「ヤール1」ZEROGRAM「エルチャルテン1P」。エルチャはコストが高すぎて却下。デザインとかプロダクトの面では断然ヤール1なんだけど、今回の条件には合わなかった。それにしてもゼインアーツ安いね…。モンベル「ステラリッジ」は玄関の位置が短辺なので候補からは除外。省スペース性をとるなら短辺がいいけど。

1人用2人用も重さと価格はたいして変わらないから、広さを取るなら2人用だけど、今回は設営面積を最小に抑えたいので1人用一択。昨今のテン場事情考えると最低限のスペースで張れるサイズがよい。初めて一人用テント使ったけどスペースは十分だった。

最近は入口が両側にあるモデルもあって便利だけど、設営面積とるので候補からは除外。片側の前室をペグダウンせずに垂らしておけばコンパクトにはなるけど、テントの布地はピンと張ってないと耐候性がおちる。

サイズと重さと厚さ

サイズは 幅205cm 奥行90cm 高さ95cm 前室張出38cm、収納時 25×19×8cm(フレーム38cm) コンプレッションベルトで更に圧縮可。

省スペース性を求めたときには前室含めた奥行きが130cmくらいに収まってほしいのでちょうどよいサイズ感。

 

重さは最小構成の公称が 900g(本体+フライシート+フレーム)、一式実測で 1206g (本体、フライ、フットプリント、ペグ12本、ガイライン)

 

あと、フロア布地の厚さも重要なポイントで、軽量モデルだとフロアも15〜20Dとかのものがあるけど、ここが30Dくらいないとフットプリント敷いても結局室内側で発生する摩擦で穴が開きやすい。シングルウォールのテントで得た経験。なので多少重くなってもフロアは頑丈な方がいいと思ってます。

設営方式

設営方式は「SLドーム」を選んだ最大の理由。最近は先にフレームを立ててからフックを引っ掛ける方式が主流だけど、「SLドーム」は伝統的なスリーブ方式。

 

スリーブ式だとフライも一緒に被せたまま、フレームを通して立ち上げることができるので、雨天時に極力インナーを濡らさずに設営ができる。最近のスリーブ式はスリーブエンドが袋とじになっているので慣れればテントの周りをウロウロ移動せずに片側だけの作業で済む。

撤収時もフレームを抜いてフライごと畳めるので作業が楽。

今回は悪天候での使用を想定してるので、これが必須条件。逆にスリーブ式でいいモデルが他にあれば、SLドームでなくてもよかったりする。

 

レビュー

さてここからは実際に使ってみてのレビュー。

設営手順

まず設営は慣れれば5分もあれば建つと思います。

設営手順

  1. フットプリント敷く
  2. 本体とフライ置く
  3. フレーム展開する
  4. フレーム通して立ち上げる
  5. フライ接続バックルをはめる
  6. ペグダウンする

いくつかコツはあって、フレームをすんなり通すためにスリーブエンド側の布地をしっかり伸ばしておくのと、フレームを通す順番がポイントです。

<スリーブエンドの布地をしっかり伸ばしておく>

 

フレームを通す順番

  1. 右上からフレーム通す
  2. 右下からフレーム通す
  3. 右下から立てる
  4. 右上を立てる

 

という順番です。頂点にフレームの交差部分があるので、順番を間違うと布地が引っかかってすんなり通しづらいことがあります。フレームを立てるのも交差部分で下側になっている方から立てると、上側のフレームが跳ね上がってしまうから。

<交差部分下側から立てると上側に干渉する>

<交差部分でフレームが引っかかりやすい>

 

スリーブエンドの布地を伸ばすのは、たるんでいるとガイライン用のループやスリーブエンドの端にフレームが引っかかりやすいから。

 

ダブルウォールのテントで、辺部分のペグダウンをしていないのをよく見かけますが、ダブルウォールの場合はインナーテントとフライの間に空間があることが耐水性と結露を防ぐポイントなので、4辺もしっかりペグダウンした方がよいです。

<ペグダウンしないとフライがインナーに張り付く>

 

撤収は逆の手順ですんなりいけます。フライを一緒にたたむ場合は、次回の設営に備えて、フレームを通す側のフライ接続バックルを外しておくとよいです。バックルが全てはまっているとテンションがかかりすぎてフレームが立ち上げづらいです。

 

スタッフバッグがゆったりサイズなのが好印象。ピチピチジャストサイズだと入れるのが非常にストレスなので、ゆるゆるでコンプレッションベルトで絞れるのが好み。

室内空間

室内は一人で使うには十分な広さ。エアマットとエア枕を尻に敷いた状態だと天井高がちょっと低いかな。収納は小さな小さなポケットがひとつ。ダブルウォールなので、縫製をあまり気にしなくていいインナーテント側に大きめのメッシュポケットがあってもいいかなと思います。

 

天井部分にユーティリティループはあるので、そこにロープを通して、適当なメッシュバッグをぶら下げました。

 

ベンチレーターはあるとはいえ、さすがに日中は暑すぎてテントの中にいる気にはなれません。前室を両側開ける前提になっておらず、片側はまくったドアを止めるストッパーがないので、全開にしたい場合は洗濯バサミがあるとよいです。

 

フライとバスタブに囲まれた、雨を完全にシャットアウトできる安心感はダブルウォールならでは。

ガイライン

ガイラインと自在がオレンジで絶望的に野暮ったいのと、短い。

ガイラインは反射材もついていないし、長さも1.2mくらいしかないけど、ガイラインは岩で固定することが多いので、これは1.5〜2mくらいの反射材付き2mmダイニーマロープに交換します。

 

ペグ

ペグは角形のものが付属していますが、使い慣れたVペグに交換。重さは付属のものの方が1本あたり1gほど軽いです。

 

デザイン

ここはやはり質実剛健の山岳テントという感じでいわゆるおしゃれ感はない。本体やスタッフバッグにペロンとタグがついていたり、ガイラインがオレンジでフレームが青だったり、インナーテントが黄色かったり、と。フライの色だけは悪くない。

デザイン的には フライがグレー、インナーが白、フレームが黒という組み合わせのヤール1が断然好み。まぁデザイン気にしない人は全く気にしなくていい話ですが。

 

まとめ

以上、「SLドームソロ」のレビューでした。デザイン部分はいくつか難ありで、ガイラインも交換したりしてますが、必要条件はしっかり満たしてくれていて、このスペックでこの軽さは素晴らしいと思います。

購入を検討している方の参考になれば嬉しいです!

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