稜線上でのテント泊デビューは中央アルプス木曽駒ヶ岳。
ホントは北岳山荘でデビューのはずだったんだけど、腸脛靭帯炎発症で撤退したのでお預けを喰らった。
その時の話はこちら。
カイロプラクティックで靭帯炎の治療が完了してから初のテント装備だったので、大事をとって歩行距離がそれほどない木曽駒にした。
因みに小屋泊はこの時から今までまだ一度もしたことがない。
パッキング
当時はまだUL装備なんてものは知らなくて、ダブルウォールの mont-bell ステラリッジ2型を、同じく mont-bell のグラナイトパック40に詰めてた。
フリースとかダウンとかUNIQLOだし…。あ、これは今もか。
中央アルプス 木曽駒ヶ岳
麓の駒ヶ根公園からバスとロープウェイを乗り継いで、2600mの千畳敷カールへ。この時点で天気はガス。
千畳敷カールからは、宝剣岳の脇を乗越浄土まで直登するルート。
膝が治ったばかりなのでおっかなびっくり登る。
乗越浄土まで出ると少しずつガスが切れてきて、宝剣岳や伊那前岳がうっすらと見え始める。
中央アルプスは中々変化に富んでて、奇岩がごろごろしてたりして面白い。高山植物の女王コマクサも見かけた。
駒ヶ岳頂上山荘
テント場は駒ヶ岳頂上山荘。
ここのテント場は耐風壁が積み上げてあって要塞みたい。
何しろ稜線で張るのは初めてだったので、こんなんで風に飛ばされないのか、とかなりビビってた。
設営自体はペグも刺さりやすく、整地もしてあるのでとても張りやすい。
そしてここはトイレがとても綺麗でびっくりした。
移動距離も長くはないので、テント泊のデビューにはうってつけかもしれない。
無事テントを張り終えても、だいぶ時間が余裕なので空身で中岳や伊那前岳をウロウロ。
ガスは抜けきらず、その間にも陽が傾いてきて辺りはオレンジ色に染まっていく。
カメラを構えてソワソワしていると、本当に一気にブワーッとガスが抜ける。
ガスが抜けた後は雲海と群青の空に三日月が掛かって夜を迎えた。
テントの明かりと満点の星空という夢にまで見た光景が目の前に広がっていたせいで、夕食は何を食べたか覚えてない。
夜明け
山で朝を迎えるからにはやっぱり御来光が見たくて、夜明け前からテントを撤収して中岳辺りでカメラを構えて待つ。
徐々に空が白んできて、あっという間に世界がピンク色に染まる。
滝雲が凄いことになってて、山の上を龍がのたうち回ってるみたいだった。
この時は三脚も担いで行ったのに、まだカメラを使いこなせておらず、とんでもない設定で撮ってて、今思うと本当にもったいないことをした。
下山
素晴らしいものを見て満足したので、宝剣岳を経由して極楽平から下山。
宝剣岳から極楽平の間は結構高度感があるタイトなルートで、テン泊装備だと中々スリリングだった。
心配してた下山時の膝も痛むことなく、諦めかけていた登山を再開できたことにほっとする。
ただ、この後、下界の河原でテントを干していたら重りを入れていたのに風で転がって穴が開いてしまい、買って早々リペアに出すことに…
記念すべき稜線テント泊デビューは、いいことも悪いことも濃い経験をできた山行だった。
山に泊まって過ごす時間にどっぷりハマってしまい、この後立て続けにあちこち歩くことになる。