2015年 9月。
この年は狂ったように北アルプスに通った。1ヶ月前に燕から肉眼で見てしまった裏銀座の山々を歩くべく、早速3泊4日の山行。
「いつか」って言葉が苦手で、自分が死ぬと思っていない人の言葉だなって思う。
「いつかなんて当てにならないな、今がその時さ」ってスナフキンが言ってた。
行程
DAY1
高瀬ダム→烏帽子岳→烏帽子小屋
DAY2
烏帽子小屋→野口五郎岳→水晶小屋→水晶岳→鷲羽岳→三俣山荘→三俣蓮華岳→双六小屋
DAY3
双六小屋→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→ヒュッテ西岳
DAY4
ヒュッテ西岳→大天井ヒュッテ→燕山荘→中房
ロードバイクをデポ
今回は七倉に車を置いて、裏表銀座をぐるっと歩いて中房に降りる行程なんだけど、ソロなので車の回収にかかる交通費がなんとかならんかな、と思ってた。
そこでふと思いついたのが、ロードバイク積んでってデポしておけばいいやん!という我ながらナイスなアイディア。
自分のアイディアにワクワクしながら色々リサーチして信濃大町にバイクをデポすることにした。
この後に待ち受けてる困難は想像できる訳もなく意気揚々と七倉へ出発…。
ブナ立尾根
裏銀座の入り口で日本三大急登の一つ、ブナ立尾根へのアクセスは七倉からタクシーで高瀬ダムへ。
タクシーではおっちゃん1人と相乗り。高瀬ダムからトンネルを抜け、不動沢の河原を渡るとブナ立尾根登山口に到着。
美しいブナの森の中を歩くルートで、12個のポイントが設けられてる。
途中、長靴履いたおっちゃんにブチ抜かれた…小屋番さんかな。
烏帽子小屋
ガスが掛かってて、日差しがなかったこともあり、快適に尾根を登り上げて今日の幕営地、烏帽子小屋のテン場に到着。
テン場は縦に細長い、プライベート感があるサイト。
この時、近くに張っていたソロの方は、三俣まで抜きつ抜かれつで、下山後にインスタで繋がっていただいた。
烏帽子岳
テントを張り終えて時間があるので、烏帽子岳を踏みに行く。日本に多数ある烏帽子岳の中で最高峰らしい。
白い岩肌が屹立しててかっこいい。船窪方面には池塘が点在しててこれまた別天地の趣き。
2日目はロングな行程なのでさっさと寝る。
2日目
裏銀座は、ちょうどよい中間点の野口五郎小屋と水晶小屋にテン場がないので、テン泊で通そうとすると、初日は烏帽子小屋に張って、2日目を三俣に張るのが無難。
今回は双六まで行こうと思ってたので、2日目はかなりロングな行程。
野口五郎岳
夜明け前にテントを撤収して出発、三ツ岳の稜線で朝を迎える。
先を急がなきゃいけないのに、夜明けが美しすぎて足が止まる。正面に赤牛岳が赤々と浮かび上がってくる。
朝が早かったこともあり、野口五郎小屋は立ち寄らず通過。この辺は風が強すぎるのでテン場がないって聞いた。
野口五郎岳は広々とした稜線で気持ちがいい。これから歩く稜線がずっと続いていく。
水晶小屋
寝不足がきいたのか、水晶小屋手前の急登でシャリバテ気味になって脚が上がらなくなる。慌てて歌舞伎揚を放り込んで補給。
水晶小屋でも餅が入った名物の力汁を補充。
水晶岳
水晶小屋から往復1時間の水晶岳(別名黒岳)も踏んでおく。別名の通り黒々とした山容。
水晶のピークからは雲ノ平が一望の元に見渡せて感動した。あそこも肉眼で見てしまったので近々いくことになる。
これから水晶を踏む方には是非好天を狙っていただきたい。
鷲羽岳
水晶からは鷲羽を経由して三俣山荘へ向かう。ワリモ岳からの登り返しが中々えぐい。
ワリモ岳と鷲羽の間の鞍部で、渡り蝶のアサギマダラの群れに出逢って元気をもらう。
鷲羽岳は綺麗な三角形。鷲羽池の向こうに明日歩く槍と表銀座が広がる。
三俣山荘
鷲羽岳からは一気に標高を下げて三俣山荘へ。北アルプスのハブ地点にあたるここはこの先何度も通ることになる。
喫茶室からは槍が見渡せて最高のロケーション。
烏帽子から同じルートを歩いてたソロの方は黒部五郎から折立へ抜けるようで、ここでお別れして、今日の幕営地、双六小屋へ向かう。
三俣蓮華岳
この辺から、かなりしんどくなってきて、三俣峠の登りもきつい有様。三俣蓮華は空身で何とか踏んだけど、双六岳はパスして巻道を行く。ただこの巻道も小川のせせらぎが素晴らしい道行き。巻道とはいえ最後にちょろっと登りがあって完全に撃沈される。
双六小屋
この日のゴール、双六小屋にやっとこさ到着。双六小屋は立派な建物で、水も豊富。テン場は双六池のほとりで広くて張りやすい。明日は西鎌尾根から槍ヶ岳へ向かう。天気は下り坂。
後半へ続く。