カメラ

How to|フィルムカメラの始め方

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フィルムカメラを始めようと思い立ったけど、近くにやり方を聞ける人もいなかったので、独学で始めてみた顛末を記録に残しておきます。

同じような境遇の人のお役に立てれば。

フィルムカメラで写真を撮ること自体は、基本的な露出の仕組みとマニュアル撮影のやり方を理解していれば、そんなに難しくないです。

マニュアル撮影についての記事はこちら→ 一眼レフカメラ | 思い通りに撮るための4つのポイント

でも、カメラを用意して、写真を撮って、現像に出すまでの間に、「?」マークがたくさん浮かんでくるので、その「?」に対する答えを一つずつ記録しておきます。

はじめに

フィルムは撮ったその場で写真を確認できませんし、現像には時間もお金もかかるので、手間を楽しむ心意気が必要です。

ただ、一度フィルムで撮った写真を味わってしまうとやみつきになります。シャッターを大事に切るようになり、一枚の写真への思い入れが増します。

フィルムを装填するドキドキ、「カシャン」という小気味良いシャッターの音、現像を待つ間のワクワク、フィルムが空回りしていた時の衝撃w、などなどを是非楽しんでみてください。

フィルムカメラ

まず、これがないと始まらないフィルムカメラ。

 

最初は「35mm版の一眼レフカメラ」が無難です。

今はほとんど新規で製造されていないので、ネットやお店で探すことになります。

個人的にはネットで自分で探すのがいいと思います。お店で1万以上で買ったものより、ネットで3千円で買ったものの方がまともだったりするので

ただ、古い物なので多かれ少なかれ不調はつきもの。心配なら保証が効くお店をお勧めします。各部動作確認済み、オーバーホール済み、とかだと安心かと思います。こればっかりは探すしかありません。

入手したら、この記事の段取りを見てもらって、すぐにフィルムを一本撮りきって現像に出しましょう。保証期間内の間に不具合がないことを確認するためです。

よくみる故障は、

  • フィルムの巻き上げ不良
  • シャッターの不調
  • ファインダーの劣化
  • 露出計の故障
  • 光を遮断するためのモルトの劣化

などでしょうか。

ただ、しかるべきところに修理に出せば直ることが多いです。

モデルについて

よく使われているモデルは大きく分けて「機械式」「電子式」があります。今で言う、シャッタースピード優先とか絞り優先とかの機能がついてくると、それぞれの動きを制御するために「電子式」になってきます。

昔は電子機器の精度があまり良くないので電子式は壊れやすいという面があります。電子部分が壊れると修理が難しいこともあるので筆者は「機械式」の OLYMPUS OM-1 にしました。「機械式」はとにかく頑丈です。一度アスファルトの上に思いっきり落としましたが元気に動いています。

 

比較的手に入りやすいモデル

「CANON AE-1」

「NIKON FM系」レンズのマウントが変わっていないので現行機にもレンズが使えます

「OLYMPUS OM-1」とてもコンパクト ファインダーの劣化と露出計の不良多し

「PENTAX SP」オールドレンズで有名なタクマーがそのまま使えます 露出計の不良多し

それぞれのモデルや比較についてはネットに詳しい情報がたくさんありますので、参考にしてみるといいと思います。

 

レンズ

特にこだわりがなければ最初は50mmでF値が1.4、1.8くらいのレンズがいいと思います。レンズ内部のホコリ、カビがないものを選びましょう。

古い時代のレンズは、F値をレンズ側で操作するので、レンズに絞り用リングがついてます。

フィルム

 

フィルムカメラにはフィルムを装填しないと写真が撮れません。様々な種類がありますが、35mm用フィルムを選ぶ際に見るべきポイントは以下の通り。

フィルム選びのポイント

規格 中判用とか35mm用とかがあります。

種類 ネガフィルムとかポジフィルムとか幾つか種類があります。

枚数 24枚撮りと36枚撮りがあります(規格で変わります)

カラーかモノクロか フィルム写真はフィルムでカラーかモノクロを決めます。

ISO フィルム写真はフィルムでISOが決まります。

規格は使用するカメラで変わってきます。この記事では35mm版をお勧めしているので、最初は「カラー」「36枚撮り」「ISO100〜400」の間の「35mm用ネガフィルム」を選ぶといいと思います。

使うフィルムによってかなり写真の性格が変わってくるのもフィルム写真の面白いところですが、値段もピンキリなので、最初は安くて手に入りやすい物で練習するといいと思います。

フィルムが急激に値上がりしてて中々厳しいですが…

 

フィルムの装填と巻き上げ

これが一番ドキドキすると思います。最初はかなりびびるんですが、結構雑に扱っても平気なので、そんなに緊張しなくても大丈夫です。

詳しい装填の仕方はカメラの機種ごとに Youtube とかで見てもらうのがいいと思います。

装填

装填で一つだけ気を付けて欲しいのが、フィルムの空回り。

フィルムに開けてある溝がうまくカメラ側の爪に噛んでいないと、フィルムが空回りしてシャッターを切っても写真が撮れていません。(空回りしていてもシャッターは切れます。)

本来撮り終わった時に回す「巻き上げダイヤル」を、軽く巻き上げ方向に回してみて抵抗があるかを確認する癖を付けておくと空回りを防げます。

 

巻き上げ

全部撮り切ると、シャッターチャージができなくなります。ここでロックを解除して、巻き上げダイヤルでフィルムを巻き戻します。抵抗がなくなってダイヤルが軽くなったら巻き上げ完了なので、現像に出すためにフィルムを取り出します。

この時、固くて回らないような場合は、どこかで引っかかってしまっている可能性があります。この状態で無理にダイヤルを回すとフィルムが切れてしまう可能性があります。状態を確認しようにも裏蓋を開けてしまうとフィルムが感光してしまうので、どうしても救出したいフィルムなら、修理に出した方が無難かと思います。

 

一連の撮影の流れ

  1. フィルムを装填(初回のみ)
  2. シャッターレバーを回してチャージ
  3. 露出計がある場合はISOを合わせる
  4. 絞りを設定する
  5. シャッタースピードを設定する
  6. 撮る
  7. シャッターチャージ(繰り返し)

全部撮り終わったら(シャッターチャージができなくなる)フィルムを巻き戻して現像に出す。

一部のモデルを除いてオートフォーカスなんて便利な物はついてませんので、全てマニュアルフォーカスです。もちろん「ピント面拡大」なんて機能もありませんので、F1.4でも目視で合わせるしかありません。

シャッターチャージは「撮った直後」、「撮る直前」どちらでもいいですが、シャッターチャンスを逃すリスクを考えると、「撮った直後」がお勧め。

 

露出について

ネガフィルムは露出の許容範囲が広いので、露出は多少雑でもきちんと写ります。露出計がついているものもありますが、精度は結構怪しかったり壊れやすいので、デジカメやスマホで適正露出を確認するといいです。

昔のカメラはシャッタースピードが早くても 1/2000 くらいしかないので、日中に開放で撮りたかったらNDフィルターがマストです。

 

現像について

フィルムを撮り切ったら、いざ現像に出します。

今はネガと一緒に、スキャンしたデジタルデータも納品してもらえるので、スマホやPCでもフィルム写真データを管理できます。

現像は量販店に出すか、専門店(ラボ)に出すことになります。

近くに現像してくれる量販店があれば安くて早いけど、専門のスタッフでなかったり機器のメンテナンスが雑だったりするので質は低い印象があります。

ラボは専門店だけあって、こだわりを持って現像しているので、クオリティは高いです。お店によって現像のテイストが違うので、好みのラボを見つけるのも楽しいと思います。

大抵、郵送での依頼を受けてくれるので、遠方でも掛かる時間さえ気にしなければ大丈夫。納期は大体1週間くらいです。郵送の場合は安く済む、クリックポスト がお勧め。

コスト

現像 一本 ¥800〜1,300くらい。+送料。

写真一枚のコストがいくら、という世界ですが、月に2本フィルムを撮ったとして、フィルムが約¥1,000、現像が送料込みで約¥2,500、年間で¥40,000強ですが、最新のデジタル一眼レフをレンズとセットで買うと最低でも10万以上はするので、そこまで高いものではないと思います。

OLYMPUS PEN に代表される「ハーフカメラ」というのを使うと枚数を二倍撮れるのでコストパフォーマンスは良くなります。

ネガの管理

ネガの管理は、1本ごとにクリアファイルで保管がお勧めです。どのフィルムで撮ったか分かるように、フィルムの外箱の一部をちぎって一緒に挟んでます。

 

以上、フィルムカメラを始めるにあたっての段取りを綴ってみました。とりあえずフィルム写真を味わってみたい、ということであれば、「写ルンです」が手軽でいいですが、やはりきちんと撮るとなると一眼レフが必要になってきます。

この記事でフィルムカメラを始める人が増えると嬉しいです!

 

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