山を歩くときのカメラの携行には、今までピークデザイン「キャプチャー」を使ってたんだけど、いくつかの理由から、パーゴワークス「フォーカス」に切り替えた。
「キャプチャー」のデメリット
山で数年「キャプチャー」を使ってきて見えてきたいくつかのデメリット。
三脚穴付近が破損する
ネジ穴1箇所に荷重がかかる構造なので、フラッグシップ機+F2.8通しズームの重さだとカメラ側の三脚ネジ穴付近が破損する。
FUJIFILM「X-H1」と「XF16−55 f2.8」の組み合わせであちこち歩いたので、写真のように三脚穴付近が盛り上がって変形してしまった。
登山だと上下動が加わるので尚更負荷が高い。特に下りは使わない方が無難かも。重さが軽いエントリー機+キットレンズならここまではならないかも。
取り回しの悪さ
当たり前だけど「キャプチャー」がついてないとカメラを携行できない。極力カメラストラップは使いたくない派なので、複数のザックを使い分けたり、ザックをデポするときに不便。
着脱しづらい
素早い着脱が「キャプチャー」の一番の売りのはずなんだけど、実は結構着脱しづらい。シリコンスプレーを吹くなどメンテナンスで改善できるけど、それでもノーストレスというわけではない。
着脱の改善を試した記事はこちら。
山のコト Vol.42 PeakDesign キャプチャーが着脱しづらい時の対策
ショルダーハーネスが傷む
ショルダーハーネスを挟み込んでネジで締め付ける方式なので、その部分がぺちゃんこになる。今のところ、ショルダーハーネスが切れるようなことはないけど、傷みは早そう。
剥き出しのリスク
カメラ自体が剥き出しなので、悪天時やザックおろす時が使いづらい。悪天時はカバーをかけるか、ザックにしまうが、それも結構手間。朝方のハイマツ帯なんかは朝露が跳ねてレンズやファインダー部にかかったりするので気を遣う。山を歩くときは腕を組むと楽なんだけど、カメラの大きさと、キャプチャーの位置的に腕組みするのが難しいのも不満。
PAAGO WORKS「FOCUS」L
「キャプチャー」のデメリットを補いつつプラスαのメリットがあった。フラッグシップミラーレスがF2.8通しズームのレンズフードを撮影状態にしてギリギリ収まる。撮影ごとにいちいちレンズフードの向きを変えてキャップを取るのはあり得ないのでこれは大きい。レンズキャップを外した状態で突っ込んでもフードのおかげでレンズに底面が接触することはなさそう。
機材の組み合わせは FUJIFILM「X-T4」+「XF16−55 F2.8」
サコッシュ兼用
替えレンズのスペースを用意してあるのと、ポケットが複数あるので、レンズを持たなければサコッシュとしても兼用できる容量。これも大きい。重さは300g。ちと重いけど、サコッシュ兼用と思えばまぁ許容範囲。サコッシュの中身を移してみたらきっちり収まった。サイドのメッシュポケットは行動食の空き袋を入れるのに便利。
カメラ保護
バッグタイプなので剥き出しのリスクは丸々改善されるし、防水コーティングと止水ジッパーなのである程度の濡れはそのまま防げる。山では朝方はハイマツの朝露がレンズを襲うし、風があればレンズ面に埃も着く。剥き出しでないことの安心感は思った以上に大きかった。コーティングが劣化してみすぼらしくならないかがちょっと心配。
足元の視界も◎
正面に厚みのあるバッグをぶら下げることになるので足元が見えなくなるかと思ったけど、最小限の厚みなので視界は確保できた。雨飾山の急な下りでも支障なし。
ちょっとカスタマイズ
ロゴはあまり主張して欲しくないので、マッキーで塗り塗り。
重量物をぶらさげるのでショルダーストラップは幅広で適度な厚みがある。取り外し可能なウェストベルトも付属。これは揺れを抑えるスタビライザーとなる。見た目的にはちょっとアレかもしれないけど安定感は確実に良くなる。ザックのウェストベルト締めれば見えないし。
取り外し可能なストラップの接続はカラビナ形式。あちこちのパーツにいいものを使ってる。
装着時はこんな感じ。思ったよりコンパクト。単体でカメラバッグとして機能するので、ザックに依存しなくて済むところもよい。実際に山で使ってみたところ、取り出しに若干引っかかりはあるものの、思ったよりもストレスはなかった。
裏面にザックのウェストベルトを通すこともできるので、ウェストベルトはこちらで代用してもいいかも。かなり着けづらかったけど。
他に検討した候補
候補としては他にもいくつか上がった。
LowPro「トップローダー」M 260g
これは前に使ってた。ショルダーハーネスとの接続パーツを工夫して、前にぶら下げる弁当箱スタイル。荷重が前後に分散されてバランスはいいんだけど、厚みがあって下りの時に足元が全く見えないので歩きづらい。
HyperLite「HMG」 L 106g
圧倒的に軽いけど、ミニマムすぎて汎用性がない。
まとめ
実際に山をやる人が設計していることもあり、フラッグシップ機を持ち歩く人には中々いい選択肢だと思う。サコッシュと兼用できるところも◎。
逆にカメラの取り扱いにそんなに気を遣わない人は、もっと軽いサコッシュとかでもいいと思う。
キャプチャーはあれはあれで便利なので、軽量なフィルムカメラ用にしようと思う。
[…] 山のコト Vol.49 ピークデザイン「キャプチャー」をやめてパーゴワークス「FOCUS」にした話 […]