山のコト

山のコト Vol.29 登山用のテントについて自立式とフロアレスシェルターを比較してみる

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これまで使ってきた登山用テントを、自立式と非自立式という観点から比較考察してみる。

比較するのは、自立式の mont-bell「ステラリッジ2型」と非自立式の Locus Gear 「Khufu Tyvek」

自立式

mont-bell「ステラリッジ2型」

山岳用テントとして一般的な、いわゆる自立式ダブルウォールテント。

2本のポールを交差、湾曲させてテント本体に固定して自立させるので、面積分のスペースさえ確保できれば、傾斜地だろうと凸凹していようと、とりあえずテントを立てることはできる。これが最大のアドバンテージだと思う。

インナーはバスタブ型なので悪天時は浸水などは気にしなくて済む。その代わり、濡れたものを中に入れると排水できない面もある。

 

重量

約1.2kg。ダブルウォールテントとしては軽い方だけど、1kgを越える重量はやはりネック。

設営

ポールをテント本体に通して、ポールを立ち上げて、ペグダウンという段取り。慣れればそんなに時間はかからないけど手間がかかるのは確か。あと強風時は幕体が煽られるし、雨天時は防水性がないインナーを濡らさないようにしたりと、悪天時は更に張りづらくなる。

撤収

同様に手間がかかる。特にポールをテント本体から抜くのが面倒なのと荷物を外に出さないと畳めないので雨だと色々濡れることになる。布地が多い分、水分で嵩も重さも増える。

耐風性

十分考えられているけど、意外と風を受け流しづらいようで、ポールが折れたりすることも。そうそうないけどテントごと飛ばされるケースもないわけではない。

 

非自立式

Locus Gear「Khufu Tyvek」

ポール一本とペグで幕体を立てる非自立式フロアレスシェルター。

幕体をペグダウンしてから、中央をポールで立ち上げる。ペグダウンした箇所とポールとのテンションで立ち上がるので、張ったまま移動するというようなことはできない。幕体を均等にペグダウンすることが肝なので、凹凸があったり傾斜があったりすると張りづらくなる。

フロアレスという名の通り、床がない。レインフライ単体で張っているようなイメージ。床がないので当然、(グラウンドシートを敷いたとしても)雨が降れば水浸し。雨対策として、高さのあるエアマットレスを使ったり、濡れて困るものは防水性の袋に入れたりするなど、濡れることを前提とする必要がある。

その代わり、テント内で例えばお湯をひっくり返したとしても地面に染み込むのみで幕体にダメージはない。雨の時も床が濡れるのを気にせずとりあえず中に入ってしまえる。別売のインナーもあるので、それを使うと雨天時の条件は自立式と同様になる。

Khufu Tyvek についての詳細はこちらで。

LOCUS GEAR | Khufu Tyvek | ソロハイカーのレビュー

 

LOCUS GEAR Khufu

 

重量

約400g。圧倒的な軽さが最大のアドバンテージ。

設営

4隅をペグダウンして、ポールで立ち上げるという段取り。設営自体は簡単だが、好条件の設営場所を見つけるのに難儀するかも。

幕体に重しをしたままペグダウンできるので、悪天時は圧倒的にこちらの方が張りやすいと思う。

撤収

中央のポールを抜いて、ペグを抜くだけ。テント内でパッキングを済ませて、畳んだテントをザックのフロントポケットにでもぐしゃっと突っ込めばいいので圧倒的に楽。

耐風性

しっかりとペグが効くことが前提だけど、全面が傾斜している構造から、耐風性は自立式より高いと思っている。万一テントが飛ばされるようなことがあっても、身体は残る。ただ、Tyvekは引き裂き耐性が弱いので、耐風性に不安があるなら、シルナイロンかキューべファイバー素材を選択するべき。

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