置けるもの・できること、が限られる賃貸で自分好みの部屋づくりを目指す際に抑えるべきポイントをまとめてみた。
具体的にどんな家具を選ぶべきか、っていうのは好みの問題なので、ここでお話しするのは自分なりに構築してきた部屋づくり全体でのコンセプトの話。
5つのポイント
- 大きな部分から整える
- 色味と質感を揃える
- 空間を遮らない
- 照明をうまく使う
- 収納をよく考える
最初にやるべきこと
コンセプトをかためる
見落としがちだけど、まず、自分の中の意識を整理する。
どんなコンセプトや雰囲気の部屋にしたいのかをイメージして、それに近い写真や実例をよく見て全体像を把握しておく。
そのコンセプトに合うテイストのモノはどれで、合わないのはどれなのか。それを自分の中で把握しておくと、ブレずに部屋作りができる。
これをやっておかないと、単体では良いと思った家具でも、部屋のテイストには合わなかった、ということが起きる。好きなものを集めるのと、テイストを合わせることは必ずしも一致しない。
木だけを見るのではなくて、森全体を見ることが大事。
大きな部分から整える
細部より先に全体を
部屋をいじる時に、よくやってしまうのが、小さなものや細かいところからいじり始めてしまうこと。
いくら細部をいじっても、全体が決まらないとテイストは決まらないので、大きくテイストを変えたい場合は、思い切って大きな部分から変える。
「天井」「壁」「床」
部屋の中で大きな面積を占めるのは、「天井」「壁」「床」。
この中で一番いじりやすいのは「床」。テカテカのフローリングにクッションフロアを敷くだけで、部屋の雰囲気はがらっと変わる。すでに大きな家具を置いてしまっている場合でも半分ずつ敷けば、最小限の移動で済む。
クッションフロアの柄を選ぶ際には、プリントしてある板の継ぎ目が目立たないものがお勧め。全体の色味と、板の継ぎ目の色味が近いものの方が使いやすい。継ぎ目がないモルタル調のものもお勧め。
クッションフロアについては以下記事にて詳しく。
団地DIY Vol.12 モルタル調クッションフロアで部屋の雰囲気をガラッと変える
色味と質感を揃える
使う色は3色まで
使う色は基本的に3色まで。すっきり見せるポイントは、ベースにする色の面積を一番大きくとること。ベースになる色とアクセントにする色の割合が同じになってしまうと、ベースとアクセントの区別が付かなくなってコンセプトがぼやける。
ベースは白、木材の茶と黒がアクセントカラー。ベースの割合が半分以上。
素材を揃える
色味と質感を揃えるために、使う素材は統一する。例えば、木製の家具で明るい雰囲気にするなら、パイン材で揃える。シックで重厚な雰囲気にするならウォルナットで揃える。
全て同じ材質にできなくても、色味は揃えるのがポイント。
テカリをなくす
広い面積でのツヤツヤの光沢はマイナスにしか働かないと思っている。例えば、ニスが塗ってある家具や、キッチン収納の扉、フローリングの床。
もちろん、金属の光沢やアンティーク家具の艶など使える光沢もあるけど、テカリは視覚的に安っぽく見えるので、極力避けた方がいいと思う。
オイルステインと蜜蝋ワックスでマットに仕上げたデスクの天板。
空間を遮らない
高さを制限する
空間を広く見せるために、家具の配置は視野と光を遮らないようにする。一番わかりやすいのは、腰の位置より高い家具を置かない。高さ方向の圧迫感はとても大きいし、背の高い家具は光も遮るので部屋が暗くなる。
一人暮らしの限られた空間で、部屋を広く見せたいなら、高さが出てしまうダイニングテーブルは避けた方が無難。
視覚効果もうまく活用する
逆に横方向に伸びる形状は空間に広がりを持たせる。同じ大きさの棚でも、正方形4マスのものと、横長長方形2マスのものでは後者の方が広がりを感じる。
横に長い天板で棚を作ると広がりが出しやすい。側板がないフレーム形状のものを選ぶと、圧迫感が減るし、光も通すので効果的。
柱を壁と同色にして、横板のみ色を付けて横方向の広がり感を出す。
照明をうまく使う
蛍光灯をやめる
照明の効果はとても大きい。日本の賃貸には大抵平べったくて丸い半透明の蛍光灯がついてるけど、これを変えるだけで大きく雰囲気を変えることができる。
天井についているのが引掛シーリングという器具なら、自分で簡単に照明を交換できる。
照明については以下記事にて詳しく。
明るさと色味を調節する
蛍光灯は、読み物書き物をするにはいいけど、白すぎるのと明るすぎるので、雰囲気作りには向かない。
全体の照明は照度を落として、少し温かみのあるものに変える。壁や床を照らす間接照明も上手く取り入れる。お洒落なカフェの照明をよく観察してみるとこの効果が分かるはず。
明るすぎない照明は睡眠の質にも良い影響を与えるはず。最近は電球だけで明るさと色味を調節できるものがあるので、これを使うと好きなように調節ができて便利。
読み物書き物をする時はデスクライトなどのスポット照明で。
収納をよく考える
物は少ないに越したことはない
大前提として、収納力以上にものがあれば、当然それは部屋に溢れることになる。部屋をすっきりさせたかったらまずは断捨離。
それも、捨てるものを選ぶんじゃなくて、まず「生きてくのに必要なもの」「これだけは持っておきたいもの」っていう「最低限必要なもの」をピックアップするといい。
それ以外のものはグレーゾーンとして大きな箱にでも一時的に放り込んでおく。半年くらいそこから出さなければそれはいらないもの。生きていくのに最低限必要なものってそんなに多くはない。
この時、グレーゾーンを一時的に放り込んでおくのに、無印の頑丈収納ボックスが便利。たっぷり入るし、そのまま置いておいてもインテリアの邪魔をしない。ベンチ代わりにもなるので中々便利。
収納力を確保する
賃貸では収納が少ないことがほとんどなので、使えるスペースは有効に活用する。
一番大きいのはベッド下。ここを使わない手はない。無印の脚付きマットレスがわかりやすいけど、20cmの脚を選べば、同じく無印のPPクローゼットケースが4つぴったり納まる。収納力を増やしたいなら26cmの脚にすれば、高さのあるPPケースを納められる。高さが出る分、圧迫感とのバランスは要注意。
収納したいものの総量を把握してデッドスペースを収納に変える工夫を。
収納の種類は統一する
収納の中に入れるものは様々だけど、収納自体はテイストを合わせるのがポイント。中に入れるものによって収納を変えてしまうと統一感を出すのが難しくなる。同じエリアに置く収納は同じ種類で揃えれば、見た目にもすっきりする。
その上で見せるもののテイストを明確にする。見せるもののテイストを合わせないと、せっかく揃えた部屋のテイストが崩れることになる。
収納は黒と金属で揃えて、見せるものはモノトーンで統一。
以上、自分なりに導き出した賃貸部屋づくりのポイントでした!