山のコト

山のコト Vol.41 ミラーレスで山でちょっと星を撮ってみたくなった時の三脚の選び方

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山をやる人が一眼レフで撮り始めて、写真が楽しくなってきて、ちょっと星を撮ってみたい、ってなった時に三脚迷子になるって話をちらほら聞くので、山の三脚について考えてみる。

大ざっぱなキーワードは以下の通り。

  • 軽さ重視ならカーボン、コスパ重視ならアルミ
  • ミラーレスなら耐荷重は6kgくらいで十分
  • 脚はコンパクトになる4段がおすすめ
  • 雲台は自由雲台がおすすめ
  • カメラの固定方式はできればアルカスイス互換

あまりに安いものはやっぱりそれなりのスペックなので、カーボンなら4万前後、アルミなら2万前後のモデルを選ぶべき。

三脚は、脚の部分と、カメラを載せる雲台の部分に分かれる。大抵は雲台とセットになってるけど、用途に応じて別々に揃えるのも一つの方法。

土台になる部分。GITZOとかSLIKとかがしっかりしてるけど、自分はBENROというメーカーのものを使ってる。中華製だけど大手カメラ屋でも扱ってて、中々ちゃんと使える。

 

素材

素材はアルミかカーボンがある。カーボンの方が細かい振動を吸収するらしいけど、デジタルに限って言えば、最近はカメラの手ブレ補正が優秀だし、ミラーレスだとミラーショックもないので、振動吸収についてはそんなに気にしなくてもいい気がする。

カーボンのアドバンテージは軽さ。アルミと比べてカーボンは2〜3割ほど軽い。登山で使うならこの点は大きなポイント。担げる重さには個人差があるけど雲台込みで1kg前後が目安になるかと。

ただ、カーボンはアルミの2倍くらいの価格なので、軽さを取るか、コスパを取るかの選択になる。

小屋泊だと重くてしっかりした機材を担いでこれるけど、自分はテント泊でウロウロするのが好きなのと、最近のデジタル一眼は色々補ってくれるので、そんなにがっしりした三脚はいらないと思ってる。

 

耐荷重

耐荷重は基本的には脚の直径によって決まる。脚径が太い方が重い機材を載せられる。手持ちの機材で一番重いセットがどれくらいの重さか確認してみるといい。といっても、単焦点の望遠レンズで撮るのでもなければ、4kg以上になることはほとんどないと思う。

脚径は段数によっても変わる。段数は3段と4段がある。

3段は全長が長くなるけど、伸縮の手間が少ないのと、脚径が太いので安定感がある。

4段はコンパクトさがメリット。最下段の脚径は細くなるので、安定感は3段に劣る。

これは安定感優先か、収納性優先か、普段の使い方をイメージして選ぶといいと思う。

 

脚のロック

脚のロック機構は、レバーロック式とナット式がある。レバーロックは操作が楽で素早い伸縮ができるけど、緩みやすいのと冬は凍って固まることがある。多少操作は手間でもナット式が総合的に使いやすいと思う。

 

ストーンバッグ用フック

山では足場が悪かったり、風が強かったりするので、安定性を確保するのにストーンバッグ用フックが付いてると便利。

このフックにザックや重しをいれたスタッフサックをかければ、どっしりと固定できる。

 

雲台

 

どちらかというと脚よりこの雲台が大事。雲台にも色々種類があるけど、お勧めは自由雲台というボール形状のもの。

自由雲台

最近のデジタル一眼は、電子水準器がついてるので、よっぽど厳密に水平を取るのでなければ、ダイヤル一つで自由に角度を動かせてコンパクトなこのタイプがお勧め。

コンパクトだけど70−200mm F2.8クラスの望遠ズームを載せてもしっかりしている。

自由雲台には水平方向の調整機能と、フリクション調整機能があると便利。

水平方向の調整は、アングルを決めた後に左右にカメラを振りたい時に、フリクション機能はボールの動きを粘り強くするか滑らかにするかを調整できる。

 

BENROの三脚にセットでついていた雲台は山で紛失したので、自分が使っているのはSIRUIのもの。これも中華製だけど、作りは悪くないので十分使える。

 

アルカスイス互換

カメラの固定方式はアルカスイス互換がお勧め。

耳慣れない言葉だけど、雲台とカメラを固定する部分の規格のこと。雲台側とカメラにつけるアダプタ(クイックリリース)がこの規格同士であれば互換性があるので、メーカー独自のロック機構に縛られずに色んな種類のアタッチメントを装着できる。

 

山をやる人は、PeakDesignのキャプチャーを使ってる人が多いと思うけど、ちょうどこのキャプチャーもアルカスイス互換なので、雲台がこの規格ならそのまま三脚に装着できる。

 

 

縦構図で撮る時に便利なL型ブラケットもアルカスイス互換のものが多い。

 

ネジロックタイト

中華製のものは、ネジの精度がよくないので緩みやすいのが欠点。買ったばかりのカーボン三脚を担いで雲ノ平周回に行ったら、途中でネジが緩んでいたらしく、雲台がいなくなってた…

 

なので、ネジロックタイトというネジ緩み防止剤を塗っておくことをお勧め。

 

まとめ

総合的に判断すると、マンフロットのトラベル三脚 Befree が手を出しやすい気がする。

紹介した要素全ては満たしてないし、アルミモデルなので重量は1.5kgくらいになっちゃうけど、2万円台で手に入るのは大きい。やっぱりいきなり三脚に4万円代は出しづらいと思う。

雲台はおすすめしているアルカスイス互換ではないけど、雲台は後から好みのものに変えられるし、頭の部分だけアルカスイス互換のものに変えることもできるので。

これに近しいスペックのものを各メーカーから選んでみるのもいいと思う。

 

以上、山の三脚選びに悩んでいる人の一助になれば幸いです!

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