2015年 夏。
膝の故障で一度撤退したハイシーズンの南アルプス北岳へテントを担いで再び。
行程
DAY1
広河原→北岳山荘→北岳→間ノ岳→北岳山荘
DAY2
北岳山荘→広河原
大樺沢
未明から登山客で賑わう芦安から南アルプス林道を朝一番のバスに揺られ広河原へ。
森の緑と川のせせらぎを浴びながら大樺沢を八本歯のコルへ登りあげる。
森を抜けると、遮蔽物がない沢を延々と登ることになる。容赦無く真夏の日差しが照りつけるので体力をじわじわと削られる。途中の雪渓トラバースが唯一の癒しポイント。以前膝の故障を発症したポイントを越えて正直ホッとする。
二俣を通過すると巨大なバットレスが間近に見えてくる。クライマーがバットレスへ向かうのが遠目から見える。すでに岩にとりついているパーティも見える。2010年の大崩落のニュースとか見るとよく登るなぁと思う。
八本歯のコル
バットレスを右手に見ながら梯子状の階段を延々と登るとやっと八本歯のコルという稜線上のポイントに出る。
ここからは直接北岳へは向かわず、一旦北岳山荘へテントを張りに行く。
北岳山荘への巻き道はタイトな岩場もあり楽しいルート。花の季節真っ盛りなので、一面の花畑の中を歩く。
主稜線
ガスに巻かれながら主稜線に上がった途端、信じられないような光景が目に飛び込んでくる。
主稜線を境に雲が堰き止められて、ただただダイナミックな光景。
稜線に上がるまではまぁ暑いしキツいしで「もう来ることはないな」とか思ってたのが一瞬にして消し飛んだ。これだから山はやめられない。
北岳山荘
テンション上がりっぱなしのまま、雲の境目に佇む北岳山荘へ。北岳山荘はポンプアップした水が豊富にあって、テン場の設営エリアも広くてとても快適。稜線上のテント場は本当に気持ちがいい。
東側はガスに覆われてたけど、ガスが抜けると富士山が見えるはずなので、こちら側にテントを張る。
北岳
テントを張って荷物も軽くなったので、国内第二高峰 北岳を踏みに行く。
ピークまでは標高差300mほどの道のり。途中すれ違いポイントも幾つか。広河原から直接上がってきて吊り尾根分岐で荷物をデポする人も多い。
ピークは結構な賑わいだけど、ガスが抜けきらず眺望はあまり良くない。山頂標識を撮る習慣がないのでさっさと下りてついでに間ノ岳も踏むことにする。
間ノ岳
国内第三峰。1日で二峰、三峰を一度に踏める中々贅沢な山行。
間ノ岳まではニセピークの連続で結構心が折れた。ずっと後ろに北岳と甲斐駒が見える道行き。
途中ベテランの女性と山の良さについてひと盛り上がりしたり、夜叉神から「の」字型に縦走してきたという強者のおじさんに「変態ですね」という尊敬の念を抱いたりしつつ、ピークに到達。
間ノ岳のピークはだだっ広いので、山頂を踏んだ感はほとんどない。
間ノ岳から戻ると巨大な積乱雲が甲斐駒の方に出ていて、雷鳥のつがいがその辺をウロウロしていた。そのうち雷がゴロゴロいい始めて甲斐駒の方は盛大にピカピカ閃光が走ってた。あの下いたらやばいだろうなぁ…と思いつつテントに戻る。
心配してた雷雲がこちらに来ることもなく平穏な夜を過ごした。
2日目
翌朝、夜明け前にテントを抜け出すと空は好天。カメラを抱えて間ノ岳方面へ少し歩く。月と明け方の空、山のシルエットのコントラストがとても美しい。
空が染まってくると、雲海の上に山が浮かびあがって水墨画みたいになる。
富士山
陽が登ってくると昨日はガスで見えなかった富士山が御目見得。
富士山が縞模様になっていて、縞富士という中々珍しい現象らしい。
この時もまだカメラの設定を理解しきっていなかったのでまたもやもったいないことをした。
甲斐駒ヶ岳
白い花崗岩の甲斐駒が朝陽で真っ赤に染まるのを期待してたけど思ったほど染まらなかった。甲斐駒もめちゃくちゃカッコいいので今度行くことにする。
稜線上の朝をたっぷり堪能したので、テントを撤収しに戻る。
下山
この日も日差しが照り付ける中、でっかいザックを背負ったワンゲルぽいパーティを見送りながら下山。
美しい森を最後に堪能してから広河原、芦安へと帰還。